日本描画テスト・描画療法学会第33回大会

開催案内

会期 2024年9月22日(日)・23日(月・振替休日)
認定描画療法士資格認定研修会・ワークショップ 2024年9月22日(日)
研究発表・事例検討,総会,特別講演,シンポジウム 2024年9月23日(月・振替休日)
会場 金沢歌劇座(会議棟)
(〒920-0993 石川県金沢市下本多町6番丁27番地)
大会会長 大矢寿美子
テーマ 描画テスト・描画療法との出会い
大会運営 日本描画テスト・描画療法学会第33回大会運営委員会
〒921-8501 石川県野々市市扇が丘7-1
金沢工業大学心理科学研究所 大矢研究室内
E-mail:byoga33kit[at]gmail.com ※[at]を@に置き換えてください。

大会までのスケジュール

2024年5月23日 参加申し込み,研究発表・事例検討の申し込み開始
2024年5月31日 研究発表・事例検討を希望する非学会員の入会申し込み締め切り
2024年6月7日 研究発表・事例検討の申し込み締め切り(非学会員は入会申し込みとの同時申し込みも可)
2024年6月21日 研究発表・事例検討を希望する非学会員の連名発表者の入会申し込み締め切り
2024年6月28日 発表者の発表要旨(抄録集原稿)提出締め切り
2024年7月31日 早期申し込みの締め切り
2024年8月2日 早期申し込み 参加費払い込みの締め切り
2024年8月21日 直前申し込みの締め切り
2024年8月23日 直前申し込み 参加費払い込みの締め切り
(2024年8月22日以降の申し込みおよび参加費払い込みは学会当日(9月23日のみ)受付可)
2024年9月上旬 大会プログラム・抄録集および名札の発送(早期申込者・支払者)
2024年9月22日 ワークショップ,認定描画療法士資格認定研修会の当日参加の受付は不可
2024年9月23日 研究発表,事例検討,総会,特別講演,シンポジウムの当日参加の受付可
  (学会員全員に大会プログラム・抄録集を発送します。)

日程

日程

プログラム

1)認定描画療法士資格認定研修会:基礎コース(NK)/ワークショップ(W)

認定描画療法士資格認定研修会・基礎コース(NK)は認定描画療法士資格認定のための研修会ですが,どなたでもNKとワークショップ(W)を自由に組み合わせて受講できます。ただし資格取得を希望される方は,必ずNK①~NK⑤を受講してください。

9月22日(日)午前

認定描画療法士資格認定研修会 基礎コース(NK①②)

NK①:描画による支援の基礎と職業倫理(10:00~11:00)

講師:鈴江 毅(静岡大学名誉教授)

【概要】
今日、心理療法の分野において、倫理的な問題は最重要課題の一つである。描画による支援の実践には、描画テストや描画療法などに関する専門的で膨大な知識や技能の習得が不可欠であるが、これらを活かす前提条件として高度な倫理観を備えている必要がある。本講義では描画などの芸術作品を用いる心理的支援の全体の枠組を示すとともに、インフォームド・コンセントや守秘義務などの職業倫理、ならびに研究方法や成果の公表などに係わる研究倫理に関する基本的事項を解説する。

NK②:心理アセスメントの基礎(11:10~12:10)

講師:岡田 弘司(関西大学人間健康学部)

【概要】
ケースフォーミュレーションを確実に行ったり、心理支援を効果的に実践したりする上で、心理アセスメントのあり方が非常に重要になる。本研修会では、まず心理アセスメントの意義と目的などを確認した後、アセスメントを行う際の重要な観点やポイントについて理解を深める。そして、面接、行動観察、生活歴、医学的情報、心理テストといったアセスメントにおける情報源等の用い方についてなど検討する。

ワークショップ(W1~W3)

W1:描画療法入門(10:00~12:30)

講師:牧瀬 英幹(中部大学生命健康科学部)

【概要】
絵を描くとき、クライエントは多くのことを語っています。そうした語りを描画とともに「きく」ことから描画療法が始まり、また、そこから様々な可能性が拓かれていきます。時に、そのような流れはクライエントの夢と結びつき、その接点において主体の再構成を促す契機がもたらされることになります。
本ワークショップでは、「スクィグル」や「描画連想法」の考え方を確認しながら、描画療法の基礎を学んでいきたいと思います。

W2:神経発達障害児者への臨床描画の活用-「自分らしく生きる」ことへの理解と支援を中心に(10:00~12:30)

講師:木谷 秀勝(山口大学名誉教授)

【概要】
神経発達障害児者に臨床描画を適用する場合、従来は「障害」の程度を中心にしたアセスメントであり、精神力動的な視点から解釈を進める傾向が強かったことは確かです。ところが、近年の当事者が語る「豊かだからこそ、傷つきやすい心の世界」への理解とともに、障害特性を抱えながらも「自分らしく生きる」姿とそこから生じる葛藤への理解が重要であることがわかってきました。そこで、今回は、多くの神経発達障害児者(特に、自閉症スペクトラム障害)の事例を紹介しながら検討を深めます。

W3:バウムテスト(10:00~12:30)

講師:奥田 亮(大阪樟蔭女子大学)

【概要】
バウムテストの解釈に役立つ本は多くありますが、描かれた木の絵に対して、あるいは描き手の心のありように思いを巡らすような、実感を伴った解釈を行うことは、沢山の本を読んでみてもなかなか難しいのではないでしょうか。本ワークショップでは、バウムテストにおいて描き手に起こる体験・感覚を考えるための視点を提供し、バウムの解釈を考えていく際に、体験をなぞることに基づく確からしさと深みがもたらされるよう、ワークとレクチャーを行う予定です。

9月22日(日) 午後

認定描画療法士資格認定研修会 基礎コース(NK③④⑤)

NK③:心理面接の基礎(13:40~14:40)

講師:松瀬 喜治(佛教大学教育学部臨床心理学科)

【概要】
(公財)日本臨床心理士資格認定協会(2023)によれば、「臨床心理士の専門業務の中核的な行為としての面接は、査定に込められた意味と等質的なClの“訴え”や“問題”をどう意味づけているか・・・・Cl自身の価値観についての限りない尊重を通じてのかかわりによって、もたらされる援助効果への道程」と定義している。この道程は、、認知行動療法、精神分析的心理療法そして描画療法いずれの方法をとるにしても面接の体験知(臨床の知)のもたらす普遍的な関与の姿であろう。今回は、心理士(心理師)とClとの間で成立する「関係性」に基づく心理空間において、重要な概念であるgenuineness、participant observationに焦点を当てることを通じて、心理面接の基礎を受講者の皆様と共に考えたい。

NK④:描画による心理アセスメントの基礎(14:50~15:50)

講師:寺嶋 繁典(関西大学)

【概要】
本研修では、描画を心理テストとして用いるための基本的な考え方や技法などについてお話ししたいと思います。心理アセスメントの場面で描画テストを正しく用いるためには、①投映法としての描画テストの特徴や得られる情報、②描画テストの実施方法、及び結果の整理や解釈の方法、③描画テスト適用上の留意点、④結果の活用などについて十分に理解している必要があります。参加者の皆様とご一緒に描画テストによる心理アセスメントについて理解を深めたいと思います。

NK⑤:描画による心理面接の基礎(16:00~17:00)

講師:片山はるみ(姫路大学看護学部)

【概要】
心理面接とは、心理的な困難を解決しようとしている相談者とそれを支援する者との関係性の進展と終結の過程で、主に相談者の自己洞察と自己成長を促すための心理的空間であり、支援をする者の理論や技法に基づいた行為のことを意味します。そして、描画による心理面接とは、心理臨床家とクライエントとの人間関係が構築される過程で、描画を用いることによって“共感”“納得”“理解”“再生”といった心情が生まれること、とされます。
この研修では基本事項として、以下の内容の学修を予定しています。

  1. 心理面接とは
  2. 描画による心理面接とは
  3. 描画療法の特徴
  4. 描画療法の心理療法的な利益
  5. 描画療法の種類
  6. 経験事例の紹介
  7. 体験

ワークショップ(W4~W6)

W4:誘発線描画法(14:00~16:30)

講師:寺沢英理子(田園調布学園大学 ERIカウンセリングルーム)

【概要】
中井久夫が開発した「誘発線」から発展した誘発線描画法について、簡単な変遷の歴史を説明しつつ実際に体験をしていただこうと思います。「並列型誘発線法」「ワルテッグ誘発線法」の実施、そしてその後に行う「再構成法」までの技法習得とともに、臨床場面での有効性についても事例を通して実感していただけるよう進めたいと考えています。
※マッキー黒(極細)、ハサミをご自身でお持ちください。その他は会場に準備いたします。

W5:HTPPテスト(14:00~16:30)

講師:高橋 依子(大阪樟蔭女子大学)

【概要】
描画テストの中に、家、木、人を4枚の用紙に描くHTPPテストがある。課題それぞれで捉えやすいパーソナリティの特徴が異なるので、4枚の絵から得られる情報を組み合わせることによって、クライエントを多面的に捉えることが可能となる。今回は、HTPPテストの基本的な実施法とともに、事例を取り上げて、どのようにしてクライエントの適応水準、精神的成熟度、情緒の安定度、自己認知、対人関係などを捉えていくかについて解説したい。

W6:描画法の所見とフィードバック(14:00~16:30)

講師:馬場 史津(中京大学)

【概要】
描画法は実施の簡便さが一つの特徴ですが、解釈や所見をまとめる段階になると、格段に難しさが増します。そこで今回のWSでは描画法の初学者を想定し、描画法の解釈や所見の難しさの原因を整理します。また心理テストの所見に関する文献をレビューから、所見はどのように書くのか、所見を自分の言葉で書くことについてなども取り上げ、所見とフィードバックの関係性についても考えてみたいと思います。

2)研究発表・事例検討

9月23日(月・振替休日) 9:20~11:50

研究発表(口頭発表)は,1演題30分(発表20分,討論10分)。
事例検討では,助言者のもと,1演題60分(発表40分,討論20分)。

3)特別講演

9月23日(月・振替休日) 13:50~15:00
講師:
九谷焼作家 柴田 有希佳 氏
司会:
大矢 寿美子(金沢工業大学)

4)シンポジウム

9月23日(月・振替休日) 15:10~17:10

テーマ「描画テスト・描画療法との出会い」

話題提供者:
浦田 英範(西南学院大学)
香川  香(関西大学)
指定討論:
高橋 依子(大阪樟蔭女子大学)
司会:
大矢 寿美子(金沢工業大学)
木谷 秀勝(山口大学名誉教授)
ページの先頭へ戻る